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きまぐれ日記

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昨日は、月命日(10ヶ月)でした。

朝から、そうくんの周りを模様替え。
水着や浮き輪を並べて、いつでも水遊びできるよ!!って。

去年の夏は、よくプールに行きました。
そうくんは、プールが大好きで、けどうまく泳げなくて、泳げるようになりたいって練習を頑張っていました。
私は若い頃、スイミングのインストラクターをしていたことがあって、子供に泳ぎを教えることを覚えていたので、思い出して教えていました。

そうくんは、飲み込みが早くて、水を怖がらないので、上達が早かったのが印象です。
夏休みが終わるころには、15メートルくらい泳げるようになっていました。

去年の夏休みの日誌には、

「いいとこまでおよぎました」と書かれています。

あの子らしい表現。
距離ではなく、泳げるようになったよ!!と言いたかったのでしょうね。

去年のあの子の姿を想い出します。
誇らしげでうれしそうな笑顔が今も目に焼きついています。

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今日はピアノを弾いてみました。

天気も悪く、気分もまいってしまいそうで。
この気持ちを音にぶつけてみました。

すぐそばで、そうくんの写真が笑ってくれます。
だから私は音でこの思いを表現したいと、そうくんを思いながら弾きます。

「どうかあの子に届きますように・・」と。

悲しい音しか出せない・・
とっても悲しい音。
まるで泣かせているみたい。

途中で手を止めました。

そうくんもきっと悲しく感じただろうね。
もう少し時間をちょうだいね。
情報開示されました。

今回の事件について、「真相を知りたい」と訴えてきた私たちが、やっと事件を知る権利を与えられた ということです。

資料を手にしたとき、心臓がバクバクして、なんともいえない感覚で、落ち着きませんでした。

開けるのが恐ろしくて。

刑事処分が決まってから、この日がくるまで、事件と少し距離を置いていたので、事件と向き合うのが臆病になっています。

1ページ、1ページ、めくる手が震えて、私の目に入ってくる文字の感覚が大きすぎて、吐き気がする。

ショックでした・・

ショックというより、バットで頭を殴られたように感覚が麻痺してます。
そして、これだけの衝撃を受けて、私が駆けつけるまで、よく生きててくれたとそうくんを抱きしめてやりたい。

事件にならなければ、これだけの情報を知ることすらできなかった。


ある日突然、被害者になってしまった方々の多くが、大切な命を失った悲しみ、決して癒えることのない傷を抱えます。
悲しみだけに身を任せ、事件から遠ざかることもできます。
目をふせて何も見ない、感じないことだって出来ます。
そうしないと生きられないこともたくさんあります。


私は息子を失いました。

私の身体の一部となって支え続けてくれた愛する息子を失いました。

子供を失う悲しみを全部分かって!とは言いません。
もし自分だったら・・と考えても想像を絶するものだと思います。

ただ、加害者になることよりも、被害者になることを考えてください。
失った命はもう二度と戻らない。
そして、遺族の悲しみだけではなく、家族から引き離されてしまった亡き人たちの悲しみ、恐怖は死しても消えないものでしょう。
私は、立ち直る とか、きっと傷が癒える なんて考えられません。
いつかそんな日がくるとはとても思えないからです。

ただ亡き息子をいつも心に、いつか逢えることを信じて生きています。
生まれ変わってもきっと親子で・・
今度は、大きくなった姿をこの目でしっかり見たい・・と。

それだけを信じてこれからも、目をふせず、どんな悲しみにも負けず、息子のすべてを包み込める心を養いたい。
永遠にそうくんの母親であり続けたいと思います。
今日は学校の参観日でした。
行くつもりでしたが、行けませんでした。

今まで辛くても行けていたのに、何故なんだろう・・
自分でもよく分からない。


Yちゃんに、「なんでか悲しくて行けない」ってメールをしたら、「代わりにお兄ちゃんを見てくるね」って言ってくれた。

行ってあげられなかったから、あらたのことが気になっていた私に、「お兄ちゃん、頑張ってるよ!」ってYちゃんからメールが来て、安心しました。

あらたが帰ってきて、「ごめんね」と言ったら、「いいよ」って。
Yちゃん、ありがとうね。


もうすこしで夏休みが来る。
そうくんが去年とっても楽しんでた夏休み。
私は、夏休みがくるのがとても不安です。
そうくんの思い出が一番鮮明な時期だから。
あらたにこれ以上の不安を与えないように、普通にいられるだろうかと考えるだけで気が狂いそうです。
あらたの夢に、よく、そうくんが現われます。
つい最近も、一緒に遊んだ夢を見たって。

「お母さん、ぼく、夢でそうたと遊んだよ!!」
あらたは、すごい笑顔で、嬉しそうでした。

そう言われた時、私は何故笑顔で話せるのかと不思議に思いました。

私の夢には、ほんとにたまにしか現われなくて、夢から覚めると勝手に涙がこぼれます。「やっぱりいないんだ・・」と泣けて泣けて仕方ない。
なのにどうしてあらたは笑顔で話せるのか・・と不思議でした。

どういう夢だったのかと聞くと、「前のようにブロックで一緒に遊んでて二人共、夢中で作ってたから、話してない」って。

「そっか。」ちょっとため息でした。でも続きがありました。

「それから突然、場所が学校に変わって、クラスの友達に、ぼく、そうたと一緒に遊んだんだよ!!ってみんなに自慢してた。」
って言うの。

笑顔の意味が分かりました。

きっと、そうくんとの楽しい思い出を、悲しいだけの思い出にしたくないんだね。
一緒にいられたことが何よりも嬉しくて、声を大にして自慢したいくらいの弟なんだね。

それに比べて私は泣いてばかりで、アルバムすら開けなくて、なんて情けないんだろう・・って思いました。
家族の中でも受け止め方はそれぞれで、けれど悲しい思いは決して消えない。だけど、そうくんと過ごした楽しい思い出をもっと大事にしたい。

もし私に、笑ってそうくんとの思い出を話せる日がきたら、楽しい思い出を、あらたとたくさん語り合いたいと思います。


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